編集長 伊集院光の一言 マクドナルドも変わったな。値段じゃ無くて存在自体の意味が。 「家族で映画に行きましょう、」と来て「だからお昼はマクドナルドで」と来たら子供たちの歓声はもはやマクドナルドの部分に向けられていたのが僕らの時代。 そんな「貧乏だったから、コロッケパンが最高の贅沢で」世代からは考えられない「金も無いし今日もマクドナルドでしのごう」という言葉。コロッケパンよりはるかに安い59円。なんか複雑な感じだ。 もちろん、この複雑な感じを払拭するために「元の値段に戻して欲しい」なんて絶対に思わない。むしろ思うのは「今までの値段は何?」という不信感だ。最高時でたしか1つ210円したハンバーガーに何の疑問も持たなかった僕らにしてみれば「ぎりぎりの努力の結果59円になりました」と言われても、、、。 210円から59円ということは3.559分の1だ。近所のラーメン屋の親父が「850円のラーメンがいろいろ努力した結果240円になりました。」と言い出したら、客が「おじさんよく努力したね」と言うだろうか? 現在体重135キログラムの僕が38キロになったらおそらく褒めてはもらえない。 しかも、この道が後戻りできない道だということは先の、平日半額セールから80円に戻したときに売り上げが下がったという結果を見ても明らかだ。「努力を止めます。」というわけには行かないだろう。 よく、親父の世代が初任給の話をするときに「額面的にはたったの数万円だったけど、国鉄の初乗り運賃がいくらだったから、今より高いくらいだ。」なんて話をするが、マクドナルドに関してはこれがめちゃくちゃだ。15年前初任給で21万円貰っていた大卒のサラリーマンの場合、「一月の給料でマクドナルドのハンバーガーが1000個買えた」わけだが、今現在、少々初任給が下がって19万前後のサラリーマンが「ハンバーガー3000個以上買える高給取り」になっている。なんかスゴイ。それだけ身近になったと言うことだろうがあまりに急に接近してきたのでうまい収め方が分からない。 今思うことは、給料を「ハンバーガーだてで契約してなくてよかった。」ということ。「月給はハンバーガー1000個分相当の金額で、1年ごとに10%アップ」で契約をしていたらホリプロに所属して約10年、今頃所得倍増の月ハンバーガー2000個の高給取りになっているはずが、21万円から11万8千円への大幅減額という羽目に、、、。 34歳のオッサンのノスタルジーをさておけば(これは前に書いた、僕の親父世代がバナナは贅沢品バナナは貴重と言うのと同じなわけだし)マクドナルドの転身は大きな意味がある。昔のようなちょっと贅沢なイベントとしての位置ではない、この不況の中の重要なカロリー源としての位置であり、週に何回も利用できる一般食の位置に下りて来て、売り上げを伸ばす。これは他にはまね出来ないシステムだ。 ただ昔のような「今日はちょっとした贅沢でハンバーガーを食べよう」気分を味わうなら、緑の看板のフレッシュネスバーガーをお勧めしたい。ハンバーガー1つ270円と少しお高め(59円からみればかなりお高め)だが美味しい。美味しさに関しては僕個人の好みかもしれないが、「今日の俺頑張ってる」という気持ちになれます。 (以上、全文1,337文字÷テーマ「59円」3文字、445倍返しでお送りしました。) バックナンバーへ募集中! 7文字で50倍返し! 戻る